行政書士の廃業率について、調べなかった新人行政書士はいないでしょう。
ネットで検索すると、8割とも9割とも書かれていますが、本当にそんなに大きい数字なのでしょうか?
Goolgleで「行政書士 廃業率」と検索すると、結構衝撃的な記事が上位に来ています。
で。
私も1つずつ読んでいったのですが、あまり具体的な数字は出てこないんですよね。
エビデンスというか根拠に乏しい。
記事を書いた方の印象だったり、その方の周りでささやかれていることだったりと、信ぴょう性に欠けるとまでは言いませんが、根拠ある数字に基づいて書かれたものが少ない。
そこで、ちょっと調べてみました。
ただ、廃業率と言っても難しく、基本的に行政書士として活動するには行政書士会に登録する必要があります。
そして、行政書士会の登録にはお金がかかりますし、年会費も必要です。
となると、登録しているけど活動していないという行政書士は、たぶんいない。
だって、無駄なお金を使うことになるからね。
なので、行政書士の登録抹消数が廃業した数になると言ってもいいでしょう。
そこで総務省のホームページで行政書士の登録状況を見てみると
廃業は、行政書士法の第7条に基づく登録抹消者数のうち、第1項第2号該当者になります。
試験を受けて行政書士になったのは、第1号ですので826人が廃業したことになります。
これを登録者数である32510人で割ると、2.54%となります。
んー。
思ったよりも大きくないのではないでしょうか?
上記の表を見てみると、第6号に413人が廃業していると出ていますが、第6号は役所に勤めていて行政書士資格を取得した人なので、そこそこ高齢。
だとすると、第1号の試験に合格した人で考えるのが、本当に知りたい廃業率かなと考えます。
で。
この数字を大きいとみるかどうかなんですが、年間826人が廃業しているわけですよ。
どういう理由か分かりませんが、中には開業して間もない人もいるかもしれません。
廃業率2.54%というのは他の士業、例えば司法書士の場合、H29年のデータですが、廃業569人に対して登録者が22283人ですので、2.55%と、あまり変わらない数字です。
これから言うと、それほど廃業率は高くないんじゃないかとも考えられます。
ですが、収入面を見てみると80%近くが500万以下であり、ある調査では警備員と同レベルの年収しかないと言われています。
こうしたことが、廃業率が高いという話になっているように思います。
行政書士が廃業率が高いのではなくて、きちんと収入を上げられない行政書士の廃業率が高いということなのではないでしょうか。
行政書士の廃業率が気になるあなた。
ちょっとは安心しましたかね。
きちんと運営していけば、きっと大丈夫ですよ。