1つの資格だけではなく、複数の資格を取得することをダブルライセンスと言いますが、新しく登録した行政書士が他士業の資格を持っているかを調べた記事は、もうお読みになったでしょうか?
では、ダブルライセンスとすぐに行政書士で起業するのとでは、どちらがいいのでしょうか?
行政書士に限らず、社労士などもダブルライセンスを目指す人は多いようです。
でも、行政書士試験に合格してすぐに開業するのと、合格したけど他の士業の資格取得を目指して再び勉強をするのでは、どちらがベストな選択でしょうか。
もちろん、その人がどんな夢を持って行政書士を目指したかによって違うとは思いますが、こんな考え方もあるんだなと思ってお聞きください。
すぐに行政書士事務所を開業する場合
開業する場合は、すぐに行政書士としてビジネスを始めることになります。
ビジネスを始めたばかりの時は、何をしていいか分からないこともありますが、他の人よりも先に始めるという時間的なアドバンテージは大きいです。
ダブルライセンスを狙った人よりも1年かそれ以上先に開業してビジネスを行うことになるのですから、その間に事務所の下地を作り顧客を獲得して、ビジネスのすそ野を広げていることになります。
例えば、会社設立の案件の場合、設立申請の書類や許認可申請の書類は行政書士として制対応できますが、法務局への登記については、行政書士では出来ません。
登記については、司法書士が行わなければなりません。
しかし、このような行政書士資格だけでは出来ない業務依頼が来た場合でも、他の業の方と連携することで完遂することができます。
ですから、行政書士だけでは、依頼を完遂できないということはなく、ワンストップな依頼の窓口として機能することで行政書士資格だけでも問題なく、請け負った業務を行うことができます。
ですから、先行者利益を得ることができるというのが、他士業の資格取得の勉強をすることなく行政書士で開業することのメリットです。
先に述べたように、他士業の力を借りなければならないことがあるのはデメリットではありますが、それもそういう案件でなければ関係ないので、開業する際に何を得意分野とするかによっても関係するかしないかが決まってくるでしょう。
どうしても他の力を借りるのが嫌だということであれば、他士業の独占分野に関わらない業務を専門にするのがいいですね。
ダブルライセンスを狙う場合
こちらは逆に、何でも出来るようになるというのがメリットですね。
先に例に出した会社設立でも、行政書士として書類を作成し、司法書士として登記を行うということもできますし、宅地建物取引主任者を取得すれば、不動産関係の専門家として看板を掲げることもできるでしょう。
顧客からしても、あの人に任せれば全部やってくれると思えるのは心強いことでしょう。
ですが。
当然のように、資格取得まで時間がかかるというのがデメリットです。
例えば、司法書士試験は
- 7月に筆記試験
- 10月に口述試験
- 12月~1月に研修
と司法書士として登録し、業務が出来るまでに試験から半年くらいかかります。
しかも、試験自体も難易度の高い試験ですから、1月に行政書士試験の合格発表が出てから試験勉強した程度ではその年の7月の試験には合格できないと思われます。
となると、行政書士試験の合格から早くても、司法書士として登録できるのは2年後ということになり、そこで初めてダブルライセンスとして活用できることになります。
あなたの夢や希望を叶えるために、ダブルライセンスが必要ならば、時間など関係なく目指すべきですし、そうでないのであれば、時間のデメリットをどう捉えるかで、開業か他資格か、どちらを選ぶか決めることになるでしょう。
で。どっちかいいの?
まぁ、雰囲気、論調で分かったかもしれませんが、私としては、行政書士試験の合格をもらったら、できるだけ早く開業してビジネスの世界に飛び込むことをお勧めします。
もちろん、上で述べているように、やりたいことがあるから他資格を取得するというような場合は、その限りではありません。
ですが、そこまでの理由が無いのであれば、まずは行政書士として開業し、ビジネス上どうしても必要になったら考えればいいのではないでしょうか。
それに、その時には、自分がその資格を取得するのではなく、必要な資格を持ったパートナーを見つけるという方法もありますしね。
同じように努力をするのであれば、私はビジネスを伸ばす方が楽しいのではないかと考えています。